先日の新聞に、小学生たちの総合学習の様子が載っていた。
浜松市の積志小学校の6年生8人が、地元で発掘調査が進められている、弥生時代中後期の遺跡で、発掘作業を体験学習したそうだ。
弥生土器や石器の破片、ほぼ原型のままの高つきやつぼが発見され、みんな夢中な様子で黙々と土に向かっていたようだ。

古代のロマンに魅せられた、貴重な体験になったはずだ。
自分も、やはり、小学生のときに、近くの蜆塚遺跡や静岡の登呂遺跡へ遠足や、社会科見学で行って、その後現在まで、歴史好きが続いている。
古代の生活や環境、文化などに、こういう体験を通して興味を持つようになるのは、素敵なことだと思う。
ゆとりの教育や総合学習の問題点ばかり取り沙汰され、批判も多いが、こういう教科書から学ぶことのできない知識や、体験、将来を方向付けるような輝かしい興味といったもののほうが、絶対に、その後の人生に役に立っているはずだ。

大人と共に行動し、大人として、男としていろいろなことに対面する。それを傍らから、教師や周りの者たちが、優しく、心広く、温かな目でもって見守る。それが 「教育 = 教え、育んでいく」 の醍醐味じゃないだろうか。
こういった幼い頃の忘れられない体験が、心の中の <埋み火> となって、気持ちを優しく整えさせ、何事にも揺るがない温かな心持ちとなり、やがて、未来を明るく切り開いてゆく自灯明となるのだ。
未来のシュリーマンがここから生まれたに違いない。