気候難民
「今世紀半ばまでに
2億人から10億人が現在の居住地を追われ、
難民と化す可能性がある」
英国やドイツの研究機関がまとめた予測結果だ。
「難民?」やっぱり地域紛争が続くのか・・・そう思った。しかし、違った。
地球温暖化による海面上昇や干ばつが深刻化し、移住を余儀なくされる
、「気候難民」が大量に発生するのだと言う。
難民になる可能性が高いのは、
気温上昇で氷が解けることの影響を受ける北米やグリーンランドの先住民、
海面上昇で居住地が水没するバングラデッシュなどアジアの人口密集地に住む人々、島嶼部の住民や
干ばつの影響を受けるサハラ砂漠以南のアフリカ農民など、
多くは貧しい発展途上国の住民だそうだ。
そして、この「気候難民」の発生が、
地域紛争を激化させ、今後の世界情勢を不安定にする原因となると考えられる。
実際に、スーダンのダルフール紛争では、大規模な干ばつで多数の農民が土地を離れたことが混乱のきっかけになり、20万人が殺され、隣国に逃れた難民の数は200万人を越えると言われている。
これに対し地球温暖化対策として、先日のG8で
、「2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するように真剣に検討する」事を決定した。
ただ、現状は厳しく、前の
京都議定書で定められた削減目標に対し、
EUでは8%の削減目標に対し現在で0.6%の達成しかされておらず、
世界第4位のCO2の排出国である日本はもっとお粗末で、6%の削減目標に対し、逆に7.8%も増加しているのである。
公害やオイルショックを克服し、現在では環境技術大国となった日本は、積極的に環境対策に貢献していくべきであると思う。また、われわれ個人も、例えば
「1日1時間TVの時間を減らすことによって、年間で14KgのCO2を削減」できるし
、「冷房を1℃上げて、暖房を1℃下げることによってCO2を年間33Kg削減」することができるのである。
(詳しくは
「全国地球温暖化防止活動推進センター」のHPをご覧ください。子供に分かりやすく教えれるようなページもあります。)
以前読んだ本に
、「戦争は人々の心の中に宿る」と書かれていたが、まさに現在、それが試されている試練の時であると思う。
「遠い海の向こうの話か」とか、「まだ何百年も先の話じゃん」とかじゃなくて、
<今ここにある危機>として真剣に自分の身のこととして考えて生きたい。
少なくても「ネットカフェ難民」だなんて冗談言っている場合じゃない!
関連記事