杯(カップ) WORD CUP 沢木耕太郎
久しぶりの沢木耕太郎作品。
無駄の無い簡潔な文章とリズム・・一気に読み終えてしまった。
まるで何かの観察日記でも書いているような、感情を加えない文章。
時折混ざる感情のほとばしり。
独特のリズム感のある文章。
冷静な自己観察。
日本と韓国で共同開催されたサッカーのワールドカップの日記形式の観戦記。
と同時に、日本と韓国の両国をまたがる旅行記になっている。
日韓にとってワールドカップは何だったのか。
日韓両国の社会比較。
トルシエジャパンの冷徹な評価。
関わった人たちの人間観察。
彼の目を通したジーコジャパンとドイツワールドカップ・そしてオシムジャパン。それがまた知りたくなった。
そして、また、20年ぶりくらいに「若き実力者たち」「テロルの決算」「深夜特急」など彼の作品を読み返してみたくなった。