最近朝刊で連載されている「フィギアの科学」が興味深い。
世界一流選手たちの強さの秘密が説明されている。
今日は、荒川静香さんで流行語にもなった
「イナバウアー」 
皆さんご存知のように、フィギアスケートで足を前後に開き、つま先を180度開いて、上半身を反らした姿勢で真横にすべる技だ。
このイナバウアーを演じるには、上半身を大きく反らすことができる脊柱の柔軟性と、この姿勢を保つ強靭な筋力がいる。
体重50Kgの選手がイナバウアーを行うと、腰の部分に
145.6Kgの重さがかかるそうだ。

相当な鍛え抜かれた筋力がないと演じることはできないのだ。

瞬間的でも、自分の体重の3倍程度の重みが腰に集中的に掛かっている。 信じられない能力だ。
それも、スケートをしながらという不安定な姿勢なので、実際にはもっと大変な負担が掛かっているはずだ。
イナバウアーは、まさに人間の能力を超越した、しかも芸術的にも美しく、人々に感動を与える(何故か採点の対象からは外されているが・・・)魅惑の技なのだ。
フィギアスケートの華、ジャンプ。

安藤さんが世界で初めて4回転サルコージャンプを成功させ、浅田真央ちゃんは完璧なトリプルアクセルを競技中2回成功させた。
このジャンプ、実に大変な技なのだ、やっぱり。
トリプルジャンプ時の、美姫さん・真央ちゃんの身体能力というのは凄まじい。
滞空時間が0.68秒、跳躍高55.6cm、踏み切り速度3.3m/秒、踏み切り力が177Kgだそうだ。
あの不安定な姿勢で、1秒に満たない滞空時間の中で50cm以上もジャンプし、3回転をしてしまう。その踏切の際に、体重の4倍強の重さが踏み切りの足(片足)に掛かっているのだ。
これだけの超人的な数字を出すために、どれだけすごい努力が行われているのだろう?
そんなことを少しも感じさせずに、微笑みながら演じてしまう彼女ら。
一体、人間の身体能力というのは、どれだけ素晴らしい能力を有しているのだろう?