昨日、10月2日は
豆腐の日なんだって。
語呂合わせから来ているみたいなんだけど・・・。
そうそう、子供のときに漢字を習ったときから疑問だったんだけど
「なんで、豆腐ってあんなにきれいなのに、
豆が腐るって書くんだろう?」って。
で、昨日調べてみたら、腐るって言う字は、元々、柔らかくて弾力性のある状態を表す言葉だったんだって。でも、それがなんで腐るっていう意味になったんだろうね?
やっぱり縁起が悪いからって、豆腐屋さんでは
「豆冨」や「豆富」って書くとこもあるよね。
日本に豆腐が伝わったのは奈良時代、遣唐使によってもたらされ、京都から全国へと広まり、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、豆腐技術者が朝鮮からやって来て、さらに広まり、江戸時代になると、すっかり庶民の食べ物となったようだ。
江戸時代中期になると
、「豆腐百珍」という料理本がベストセラーになり、続編、続々編、続々続編まで出版されるほど人気があったようだ。
大豆は
「畑の肉」 と言われるように、たんぱく質豊富であるが、消化が良くない。その消化の悪い大豆を、理想的に消化吸収の良い食べ物にしたのが豆腐。昔の人の生活の知恵の結晶、最高傑作品だ。
栄養的にも、カルシウムがたっぷりの上に、骨粗しょう症を防ぐイソフラボン、脳の働きを向上させるレシチン、コレステロール値を下げるサポニン、抗酸化作用のあるビタミンEなど、長寿を支える「骨と脳」に役立つ優れものなのだ。
自分も小さい頃から大の豆腐好きで、中学位からは毎日1丁、大学の下宿時代には、安くて簡単なこともあり2丁は食べていた。シンガポール駐在時にも、お金に余裕のあるときは日本豆腐、危ないときには現地豆腐と食べ分けていた。
結婚してからは、中華系の奥さんは体を冷やすものを嫌うためちょっと遠慮して 週に2丁程度だが食べている。
これだけ食べているから、「健康はバッチリ!」 と言いたいところだが、
意外な落とし穴が・・・。
最近、スーパーで売っている豆腐ってやけに安くない? へたすると1丁300~400gが40円とか60円とか・・。まあ、もっと高いのもあるけど、ここらが売れ筋でしょう。
アレだけの重労働に、原料費高を考えたら信じられないくらいの低価格。何かカラクリ有りって勘繰りながら買っちゃうよね、やっぱり。
ある本によると、日本の大多数の豆腐メーカーは、歩留まりを上げ、大量生産に耐えうるように大量に凝固剤や防腐剤、消泡剤をぶち込んで 「豆腐もどき」 をまるで工業製品のように大量生産しているのが現状なのだ。 にがりも、天然のものを使っている所なんてほとんどないだろう。
それでも、現在の消費者は、この豆腐しか知らないために疑問に思ったりすることは無いのだろう。知っていても、なかなかあの低価格の魔力には勝てないはずだ、自分も含めて。
以前アメリカのニューヨークに出張した折に、日系のスーパーの中で営業していた個人の豆腐屋さんを紹介してもらった。そこの豆腐は実に美味かったのだ。豆腐は後発のアメリカ人なのに・・・。
そこでその経営者に聞いてみると、「アメリカ人は日本の昔どおりの豆腐の作り方をくそまじめに守っているからだよ。当たり前のことだけどな・・・。」 と答えられた。
何とも恥ずかしいと言うか、変に納得してしまった、「あ、やっぱりか」って。
今や、日本の食卓のみならず、世界の食卓に上がらない日は無いくらい世界的な食品になった豆腐。
「健康のために・・・、と思って食べていたら、実は・・・。」 なんてことが無いように願いたい。
生産者は、良心に適う食品を生産し、消費者はしっかり学習し、見極め、自己責任で選択できるようにせねば。
あの、純白な、清廉そのものの白い肌に、まやかしなんてあってはならない、似合わない。