パロマ、ソニー、三菱ふそう・・・。
雪印、不二家、ミートホープ・・・。
毎日尽きることなく繰り返される企業の不祥事、いや、
企業犯罪。

世界に誇る
「Made in Japan」 、品質大国日本の崩壊の姿だ。
その特質ー地道さや、熱心さ、滅私奉公(良い意味での)、器用さーのおかげで、世界を席巻した日本の製品の代名詞
「品質」 に、今、危機が迫っている。
さらには、資源を持たない国、日本は、製造で国を維持する
「製造立国」、その生命線が断ち切られようとしている。
「品質」 が置き去られた原因にはいくつかあると思う。
・量の拡大が進み、
効率性がより求められるようになったこと。
・品質では差別化できないため、品質以外で(
安価・早い納期など)差別化を図らざるを得ないこと。
・安価を実現するためには
コスト削減が必要条件で、このため、
社員のリストラやアウトソーシングが進められ、人材不足が顕著化したため。
・中国や韓国・台湾・インドなどの労働力の安い国との国際競争が激化したため。
・PL法以降、企業のコンプライアンス(法遵守)が求められ、適法でさえあれば、さらには、適法であると言う言い訳さえ見つかれば良いという安易な考え方。
以上などが考えられると思うが、根はもっと深いところにあると思う。

それは、
現在の日本では、ヨーロッパ諸国(英国やドイツ)と違って、社会には
1つの価値観・尺度しか存在しなく、
<金>の多さが尺度であり、
ピラミッドの頂点がいわゆる <勝ち組> であり、非常に硬直した社会構造であることだと思う。そして、「良いものをつくる」 という喜びを忘れ、金儲け主義に走ってしまっていることにあると思う。
ヨーロッパでは、価値観が多様化しており、
能力を互いに認め合う社会であり、例えばドイツでは、マイスター制度が充実していて、それぞれの道の優れた職人は、社会的に認められ、尊敬される存在であったり、フランスでは、塩職人などがやはり地位として確立されていたりして、伝統を維持している。
<モノつくりの哲学>を忘れてしまった製造業に、脳硬直した社会、それが、自ら生命線を断ち切ろうとしている、そんな現状であると思う。