今回の参議院選挙、農政についての問題が大きな争点になっている。
その中でも、野党側を中心に日本の食料自給率を50%に向上させると言うマニフェストが出ている。
現在の
日本の食料自給率は、カロリーベースでわずかに
40%しかないのだ。(生産額ベースでは70%)

これは、他の先進国と比べると、異常に低いことが歴然とわかる。
イギリスは74%、ドイツ 91%、フランス 130%、アメリカ 119% なのだ。
食料の自給率が40%と言うことは、
輸入(外国)に依存しているのが60%、日本はなんと
世界最大の食糧輸入国なのだ。
と言うことは、我々が毎日食べている物は、
外国の農地を借りて作ってもらっているということだ。 (日本の農地面積は469万ha, 日本への食料輸入のために使われている外国の農地面積は1,200万ha, なんと2.5倍の広さが我々の食料のために使われているのである) つまり現在のこの豊かな食生活は他国の支援の上に立脚しているのだ。
野党のマニフェストのように(具体策はあまり書いてないが)、自給率を上げることは大切なことではあろう。ただ、危機感を煽るように、ただやみくもに自給率UPだけを叫ぶのもどうかと思う。
大事なのは、まず現状・事実を示すこと。
自給率の低下は食生活の極端な変化(米の消費量が40年で半分に、肉は5倍に、油脂類は3倍に)に起因していること、また、農地の減少や生産者の高齢化のために、需要に国内生産が追いつけないことによるため。
この食生活の変化(アンバランス摂取による栄養バランスの崩壊)が、生活習慣病や、今話題のメタボの原因であること。
さらに重要なのは、現在国民1人1日当たりのカロリー供給量は約2,600Kcalで、実際に食べたカロリー量は約2,000Kcal, つまり、
残りの600Kcalは、食べ残しや廃棄食物のように、捨てられてしまっていると言うことだ。
つまり、世界人口が増加し、また、開発途上国における栄養不足は相変わらず増加しており、そして、かなりの食べ物を他国に依存しているのも関わらず、この
ムダが存在していると言うこと。
そして、これを食育や教育で改善することが重要だ。
それぞれの立場で、それぞれ現状の改善に取り組んで行く事が急がれている、今、であると思う。
そうしなければ、日本の食文化で、典型的な朝食の食卓の風景である <納豆や味噌汁> も国産では5%しか作ることが出来ない現状なんです。 文化さえも外国に依存しているのです。
