東京都千代田区で、地球温暖化対策条例を策定した。
その前文を、環境学習に力を入れている
中学校に依頼し、中学生に策定を任せた。
法律の前文と言うのは、日本国憲法や他の法律に見られるように、法律の基本理念を宣言する、言ってみれば、その
法律の顔みたいなものだ。
これを中学生に任せる、画期的な計らいだ。
彼らは、日本国憲法や教育基本法などの前文を勉強し、議論した末
、「もっと易しい言葉で気持ちを伝えられないか」 と言うことで、中学生らしく
「会話調」 で作成した。
ちょっと長いけれど、感心・感動・共鳴したので紹介します。
<千代田区環境条例前文>
「千代田区は日本の経済の中心、だけど比較的緑が多くて、産業と自然の調和が取れた過ごしやすい区だよね」
「今よりもっと千代田区を緑でいっぱいにして 「緑の区、千代田」 と呼ばれるようにしたいね」
「そうだね。経済だけでなく環境対策でも中心地となる千代田区になったらいいな」
「環境問題といってもいろいろあるよね」
「うん、なかでも今は地球温暖化が深刻になってきているよ」
「そうか。地球温暖化か。地球温暖化は大きな影響を与えるという問題があるよ」
「ねえ、千代田区は、昼と夜の人口が大きく違うよね」
「そう、住んでいる人よりも、仕事や勉強に来る人のほうが多いんだ。だから、区外から来る人にも地球温暖化防止を呼びかけなくてはならないよね」
「千代田区で地球温暖対策が進んでいけば、きっと他の地域にも、地球温暖化の意識が広がっていくよ」
「千代田区を、地球温暖化で一歩先を行く発信地にしていこう」
「みなさん、地球の中の日本、日本の中の東京、東京の中の千代田区として地球温暖化防止への取り組みを進めましょう」
「千代田区が動いて、周辺の地域に、全国に、環境への取り組みを働きかけていこう」
「世界中にこの取り組みを伝え、次の世代の人々に美しい地域を残しましょう」
来年の洞爺サミットに出席するであろう各国の元首に教えてあげたい。
自国の利益や都合、他国との比較ばかり気にして、条例や決議はおろか、合意さえも取り付けない皆さん。
格好の良い、逃げ場のある、お定まりの、気持ちの伝わらない、そんな確認条項しか策定できない各国の代表者たち。
「この中学生たちの、真剣な、心のこもった、気持ちの伝わる素晴らしい言葉を見よ!」
「彼らは苦りきってこう言ってますよ」
「大人の皆さん、もっとしっかりしてね」