このところのニュースは
、自浄作用がなくなってしまった(始めからないのかもしれないが・・・)組織の話題ばかりだ。
17歳の力士を暴行・リンチの上、殺害した大相撲の名門部屋。
親方は解雇され、リンチを行った兄弟子らは立件されそうだが・・・。
ただ、発覚から処分に至るまでの過程も、迷走だ。
相撲協会も、文部科学省から指示されて初めて独自調査を始めだす始末。

尊い命、相撲界の未来を担う若者の命が失われているのにもかかわらず、まるで他人事のようだ。
親方も、兄弟子も、相撲協会も全て、
「今の嵐が過ぎ去るまで・・・」
そんな、
あわよくば、と言うような態度が見て取れる。
親方は 「なぜ他の部屋ではなく、自分の部屋で・・・。」 と戸惑い、
協会の北の湖理事長も 「お騒がせして申し訳ないという気持ちだけ」 と自らの減棒処分についてコメントする。
この事件を当事者として真摯に受け止める気が無い、と言うか、もっと言えば、人間として当然の感情を完全に喪失し、保身のみに動いている。
緊急の理事会でも再発防止策が話し合われず、理事も 「指導についての検討委員会を設置し、そこで協議され、いい方向に向かうだろう」 とまるで他人事、そして、はい、解決済みです、そんなモラル欠如観を感じさせられる。
八百長問題に、朝青龍問題、そして今回。
自浄作用の無い協会に生き残りの道無し。
120万件、910億円!
生保各社のの2001年度から5年間の意図的な保険金の不払いの額だ。

金融庁が調査を命令し、今年の4月が期限だったが各社調査が間に合わず、9月末まで延長し出たのがこの数字だ。
4月の中間報告時に比べ、2.5倍に膨らんだのだ。
3大疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞)にかかった際に支払われる特約の保険金の不払いが多いようだ。
「何ということだ!」
みんな厳しい家計の中から、何とか支出を絞りに絞って、万が一があったら大変だからと保険を購入してるのに!

その際、大体保険の営業から 「今3大疾病の死亡確率が多く、入院が長引いたり、何度も入院したりして費用がかかるから、3大疾病の特約を入れたほうが
安心ですよ」 と説明され、購入しているのが実際だと思う。
今回の調査は、そんな庶民のかすかな安心感さえも踏みにじる
裏切りを示している。

大体今の保険は、契約内容が難しく、適応条件などもあいまいになっており、保険営業マンのオススメ通りに購入していると思う。
自分も、数年前に前の会社を退職する際に、保険を切り替えたが、なるべく損が無いようにと図書館でたくさん保険に関する本を借りて調べたが、結局難しすぎて詳細まで理解できず、最後は営業マンに教えてもらい購入した。
穿った見方をすれば、なるべく支払う可能性や額が少なくてすむ様にと、法律用語のようにわざわざ難しい文句を使い、
逃げ道を残しているんじゃないかと勘繰る。それ程難解なのだ。
TVでコマーシャルも芸能人を使ったりして、大々的にやっているが、画面の隅のほうに見えるか見えないか、いや、ほとんど見えない意味ない感じで、支払い条件なんかを示している小賢しさには苦笑を禁じえない。

「ずさんな対応浮き彫り」
などと新聞には書いてあるが、正直に
「掛け金盗人」 と書けばいい!

生保も 「お客様の立場に立った体制ができていなかった」 などと言い訳しているが、 「そんなの当たり前、今さら何言ってるんだ、お前ら会社組織だから、何とかして利益を出そうとするんじゃないか!」 と怒りをぶつけたい。
さらに、今回の調査や新しいシステムの導入のためにコストが大幅に上昇して、余剰資金が圧迫されるため、契約者に回る配当金が減る可能性が高いんだそうだ。

人の金で事業拡大とか余計なことたくさんやっておいて、「盗人たけだけしい」 ぜ。
無責任きわまる、自浄作用のまったく無い業界にも生き残るすべ無し。
その他、社保庁に、官僚に、国会議員・・・。
自浄作用の無い個人・組織のオンパレードだ、この国は!
自然界は、どんなに水が濁ったりしても清らかになるし、大木が倒れたあとも、傍から新しい芽が吹き始めるし、ウランのようなものでさえ、長い年月を掛けて清浄化して行く。
自浄作用こそが、自然の理なのだ。
自浄作用の無いものは、自然界の理にそわず、
淘汰される宿命なのだ。
人間の作り出した組織はやはり自然の理に適わないのか、いや、人間自体もなのか・・・。
人の力を借りて浄化作用を渋々起そうなんて甘っちょろい。
自浄作用の無いものは、せめて、自戒し、潔く自壊せよ。