妖精
小泉八雲。そう、ラフカディオ・ハーンです。
高校のとき、「怪談」 を読んで好きになり、一気に著作を読んだ。
大学に行き、冬休み、そう、ちょうど今頃、彼の足跡を求めて、山陰、出雲へと向かったこともあった。
そんな八雲ですが、静岡県とも関係が深かったたんですね。
海が好きで、水泳が得意だった八雲、泳ぎに良い浜を探して、最初、舞阪に来たが、海が遠浅で気に入らず 、 焼津におりたったところ、深くて遠い焼津の浜が気に入り、焼津でひと夏を過ごしたそうだ。
その後、亡くなるまで、毎年のように夏になると焼津を訪れ、夏を過ごしたそうだ。
焼津の人たちとも暖かな交流をして、友情を築き、彼らから 「先生様」 と尊敬されていたそうだ。
また、八雲も、友情と尊敬をお互いに築く、山口乙吉と言う人と出会い、 「神様のような人」 と書いている。
八雲は 「知られざる日本の面影」 の中で、「この国の住人たちは、妖精たちの子孫だ」 とまで言っている。
物静かで、礼儀正しく、心清らかで、優しく、他人を思いやる・・・、そんな日本の人たちに感動し、美しい言葉、そして、我々日本人にとっては嬉しい言葉で表現してくれていたのだ。
何とも面映いと言うか、もはや、恥ずかしくていたたまれない気持ちになってくる。
もう、我々の心の中には、妖精は住んでないのだろうか?
公共の場で大声で話す人たち、バス停で下着が見えるくらいに足を開いて地面に座っている女子高生、平気でタバコをポイ捨てする男たち、人の痛みを自分のことと感じとれない大勢の人たち、何とかぼろ儲けし、誤魔化し通そうとする役人や政治家、人の不幸を見て見ぬ振りする我ら・・・。
八雲は上の言葉に付け加えて、こんなことを予言してるんです。
「この国の製品が、欧米を越える頃には、この国の妖精たちは姿を消し、日本人によく似た西洋人ばかりになる」 と。
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